2005年5月21(土)
日帰り



5月15日の日曜日、朝早く起きて日光に行ってきました。
今後日光に行く機会がもっと増えるかもしれないので、日帰り旅行でどのくらいのことが出来るのか、確かめてみたかったのです。
けっこういろいろな体験が出来ました。
以下に1日の経過を、順を追って書いてみましょう。



5時00分 起床。
5時30分 出発。

天気はあいにくのくもり。
予報では雨になると言っています。

カメラを積んで朝食は取らずに家を出ました。
セブンイレブンでコーヒーだけ買いました。

こういう中距離のガンガン走る旅には、エミールが最良の乗り物かもしれません。



6時45分 馬返到着。

東北道の宇都宮ICから日光有料道路に乗ります。
最初の目的地は奥日光なので、日光ICは通り越して、一気に終点の清滝ICまで行きます。
ほどほどに飛ばしましたが、いろは坂の入り口の馬返(うまがえし)に到着したのは6時45分でした。

日光有料道路は、細かく何回かに分けてお金を取られることもあってか、やけに料金のかかる道という印象が残ります。




山が近付いてくると雨が本格的に降ってきました。
でもそれほど寒くはないです。
これからいろは坂に入るところです。

路面が濡れています。
エミールはパワーがありすぎるので注意が必要ですね。
アクセルをあまり踏んでいなくても、コーナーであっさりスピンします。




天気が悪いのは残念ですね。
せっかくの風景が台無しです。

イザベラ・バードの時代には、当然今のいろは坂はなくて、非常に険しい山道を通って、約10キロ先の奥日光へと向かいました。
当時の旧道も、やはり馬返村を通過点にしていたようです。

その後明治20年から25年にかけて、つづら折りの新道が完成し、人力車が通えるようになりましたが、そのルートが今の下り専用の第一いろは坂になったようです。




7時08分 中禅寺湖到着。

そのまま湖の左側に周り、南岸の半月山を登っていく中禅寺湖スカイラインを上ります。
ここは7時にゲートが開く道なので、まだ開いたばかりで、人はほとんどいません。

途中景色の良さそうな場所があり、早くもカメラマンが何人か車を停めていましたが、無視して頂上の駐車場まで一気に進みました。
これが良かったことが後で判明しました。




7時24分 半月山展望台到着。

スカイラインの終点の大きな駐車場に到着しました。
雨が降ったり止んだりしています。
気温が一気に5度くらい下がり、風が強く寒かったので驚きましたが、あまりに見事な景色に圧倒されます。

雨はみぞれ混じりになってきました。
ここは日光市ではなくて足尾町なんですね。
見渡せるのは足尾方面の山々です。




先に到着していたおじさんがひとり、撮影に夢中になっています。
なぜか血相を変えて、右へ左へと走り回っています。
こちらに意味ありげに一瞥くれたかと思うと、またカメラをかかえて走っていってしまいました(笑)

はて、何だろう?




おおっ、虹が・・・!

すごい、目の前に巨大な虹が出現しました。
とても写真ではお伝えできませんが、あまりにスケールの大きい光景に呆然となってしまいました。

虹って近付くと大きく見えるものなんですね。
足尾の上に直径数キロの美しい虹がかかっています。
もうただただ絶句。
こりゃおじさん、興奮するわけだわ(笑)
これを見ただけで今日来た甲斐がありました。

出現したり消えたりの繰り返しですが、時間にすると5分くらいの出来事でした。
後から我々以外にもカメラマンが登ってきましたが、もう後の祭りです。




8時05分 中禅寺湖展望台。

少し戻ると日光市になり、素晴らしい眺めの中善寺展望台があります。
ここは中禅寺湖のベストビュウポイントと言われているそうで、戦場ヶ原の方まで見渡すことができます。
車で来られる場所からこのような景色が楽しめるのが嬉しいですね。

手前に見える、湖に飛び出しているのは、八丁出島です。
天気も少しずつ晴れてきました。




8時35分 歌ヶ浜駐車場

下の中禅寺湖まで再度下りてきました。
湖の周りには既に釣り人たちが大勢集まっています。
上に比べると気温もずっと暖かいですね。




8時45分 中善寺(立木観音)

日光山中善寺は歌が浜駐車場の正面にあります。
行きにもそばを通ったのですが、まだ門が閉まっていました。
8時からなんですね。

ここにご本尊として祀られている立木観音は、約1200年前日光を開山した勝道上人自らが、1本の桂の大木から彫り出したといわれています。




もともとは二荒山神社と並んで建っていたのですが、例の明治35年の災害の時、山崩れで建物が湖に押し流され崩壊してしまいました。
ところが立木観音のみが湖面に浮び上がったため、今の場所に移設されたのだそうです。




お寺の人が立木観音にまつわる話をしてくれるのですが、そのドラマチックなエピソードの説明がなく、お土産として売られているお守りのことばかり話すので、逆にこちらから山崩れのエピソードについて尋ねたほどでした。

写真撮影は禁止されているので、肝心の立木観音の写真が無いのはお許しください。
写真はどこか日光を案内するサイトに載っていると思います(笑)




中善寺の入口近くにある鐘のやぐらです。
おさい銭を入れれば自由に突いていいようですね。

一つ目は自分の家族や先祖に関する幸福、二つ目は自分の長生きのため、三つ目以降は願いの数だけ・・というような事が書いてあります。

そんなにたくさん鳴らしていいものかと思って、ちょっと気が引けたのですが、思い切って突いてみると、ゴオオオーーンと盛大な音が街に響き渡り、ビックリしました(笑)

9時15分 中善寺発。


9時25分 ユーコン着。

朝食を取ろうということになり、中禅寺湖をぐるっと回って、中善寺金谷ホテルの前にあるユーコンまで行きました。
9時半開店なので駐車場で少し待ちました。

ここはケーキセットが美味しいです。
食事はボリュームがあり、朝食というより昼食向きかもしれません。

この後中禅寺湖のクルージングをしてみようかと思い、お店の方にいろいろ尋ねたのですが、帰ろうとしたら、わざわざ駐車場までクルージングのパンフレットを持って追いかけてきてくれました。




ところが時間を見たら10時20分に先ほどの立木観音を出発すると書いてあります。
その次は10時30分に中禅寺湖中央の「船の駅」を出発することになっているのですが、そこは乗船客が多く駐車場が空いていないようです。

いずれにしても時間があまりありません。
先ほどの立木観音までふっ飛ばして戻りました(笑)

10時00分 ユーコン発。




10時15分 歌ヶ浜駐車場着。

船がやってきました。
さすがに毎日同じコースをぐるぐる回っているだけあって上手いです。

あらぬ方向に行ったかと思うと、船体をスピンターンさせながら船着場にピタッと横付けするという芸術的な運転を披露してくれます。




これは速くてなかなか快適だと思ったら、なんと次の「船の駅」でもっと大きい「けごん」号に、全員乗り換えるのだそうです。

なんだ、結局10時30分「船の駅」発に乗ることになるんですね。




10時30分 船の駅中善寺。

「けごん」号は2階建ての大きい船です。
かなりの人数収容できますね。
船室の外は寒いですが、それでも気持ち良いので、お客さんはみなデッキに出てきます。




快適でなかなか面白いクルージングです。

船内で説明のアナウンスが放送されているのですが、これが聞き取りにくいのが唯一の不満でした。
先に湖周辺のことを調べてから乗った方が楽しいかもしれません。




先ほどスカイラインの中禅寺湖展望台から見た小さな島や、八丁出島などをかすめるように航行してくれます。
島は上野島といい、勝道上人のお墓があると言われています。
浅瀬になっていて岸から歩いていけるようで、釣り人が水の上に立っていました。

岸辺には海外の大使館の別荘なども見えます。
紅葉の季節などは、さぞや素晴らしいでしょうね。
約1時間の楽しいクルージングでした。




11時30分 明智平。

クルージングの後は、ケーブルカーに乗ってみようということで、変則的ですが第二いろは坂を下って明智平まで戻りました。
上り専用の第二いろは坂ですが、中禅寺湖から明智平までは対面通行で、車で行くことができるんです。

駐車場にはいつもの猿がいて、一騒動起こしています(笑)
すれた奴で、物を盗んだり、歯をむいて人間を威嚇したりします。
駐車している車の上に勝手に乗って、赤いお尻を天井にこすりつけたりもするので堪りません(笑)

でもお店の人が来るとあわてて逃げるようです。




上は霧が出ているようですが、それでも乗ってみようと思い、ケーブルカー乗り場に行きました。
そうしたら係の人が、テレビモニタの真っ白な画面を指差して、あれでもかまわないですか?と聞いてきました。
これは何ですか?と尋ねたら、上から見た景色だといいます。

さすがに乗るのはやめました(笑)
晴れていると、中禅寺湖とそこから流れ落ちる華厳の滝が一望できて、本当に素晴らしい景色のようです。
次回再挑戦ですね。




明智平のお土産売り場で、窓の外にケーブルカーらしき施設の古い痕跡が残っているのを、Mrs.COLKIDがみつけました。
きっと馬返と明智平を結んでいた路線ですね。

自動車での移動が一般化する前は、ケーブルカーによる観光が主流だったんですね。
いろは坂が自動車道として整備されるとともに廃れてしまったのです。

でも自動車道は混むので、ケーブルカーの方が面白そうですね。




さて、明智平から上の中禅寺湖に戻り、そのまま町を素通りして、今度は下りの第一いろは坂に進みました。
こういうコースを取る人はまずいないでしょう(笑)

行ったり来たりですね(笑)




12時00分 中ノ茶屋。

下りのいろは坂の途中にある中ノ茶屋の跡地です。
暴走族のスプレーの餌食になっていますね。

奥日光への道は険しく、途中には数件の茶屋(休憩所)があったようですが、形が残っているのは中ノ茶屋だけです。

バードの通った旧道も、その後に出来たつづら折りの新道も、この中ノ茶屋を通っているようなので、ここで二つのルートがクロスしていたのかもしれません。




12時10分 第一いろは坂より。

中ノ茶屋跡から少し下ると、般若滝と方等滝の両方が見えるポイントがあります。
写真は般若滝です。
ここで大きなカメラを設置して撮影している人がいますが、それほどいい景色でしょうか?

旧道はこの滝の横を通って中ノ茶屋に向かったとされています。
ここも明治35年に大きな被害を被った場所で、その時ふたつの滝の外観は大きく変わってしまったそうです。
その影響か、上から見てもどこに人間の歩ける道があるのかよくわかりません。




12時30分 裏見ノ滝 駐車場。

いろは坂を下り日光市内まで進みます。
左折して山の方に向かうと、大谷川の支流、荒沢川の上流に裏見ノ滝があります。
駐車場から20分くらい歩きます。

道はご覧の通り整備されてはいますが、途中は崖っぷちで上りが多いです。
落石もあるようで、上から落ちてきた裂け目の真新しい石がけっこう落ちています。




12時50分 裏見ノ滝。

ここはかつては滝の裏側まで行けたそうですが、今は事実上行けません。
知人のKさんによると、以前滝の裏側まで行ったそうですが、非常に滑りやすく、落ちたら命は無い危険な場所であり、水でびしょびしょに濡れるそうです。

たしかに人間がはって行けそうな空間は一部残っていますが、道の幅はほんの数十センチです。
岩が崩れてあまりに危険なので禁止になったようですね。
もしかすると誰か落ちたのかもしれません。
山の中は危険がいっぱいです。




13時20分 日光植物園。

田母沢の御用邸に行こうとして、間違って東大の植物園に入ってしまいました。
広大なエリアを持つ立派な植物園です。
せっかく入場料を支払って入りましたが、目的地ではないので軽く一周して外に出ました。

お客さんはおばさんが多かったですね。
カメラを持った撮影目的の人もけっこういました。
大谷川の方まで行ってみたら、川の向こう側に並び地蔵が見えたのが収穫でした。




14時15分 田母沢御用邸記念公園。

一度日光の中心部まで行き、東照宮前の駐車場に車を停めました。
いつ行っても神橋付近は渋滞しています。
それから歩いて道を引き返し、田母沢の御用邸記念公園に入りました。

ここはもとは民間の屋敷でしたが、日光をこよなく愛した大正天皇のご静養のために整備改築されました。
戦後国有財産となりしばらく放置されていたようですが、払い下げた栃木県が、30億円の費用をかけて本格的に補修し、最近一般に公開されました。
賛否両論あるでしょうが、見応えは十分にあります。




先日の皇居もそうでしたが、皇室にまつわるものは独特の品位と繊細さ、それに完成度の高さを感じさせます。
何かをちょっとぶつけただけで壊れてしまうようなものばかりなので、ごついカメラなどを持っていると、入口で管理の人から気をつけるよう注意を受けます。

こちらも気を遣いながら恐る恐る見学しますが、さすがに素晴らしい造りで見応えがあり、たっぷり1時間くらい滞在していました。
現在の天皇陛下も幼い頃ここに疎開され、平成13年に改修完了後ここを訪れた折には、皇后様に当時のことを懐かしそうに説明しておられたようです。




建物は質素といえば質素なのですが、品質が非常に高いので、たいへん豊かな空間という印象が残ります。
長い間に何度となく手が入れられているので、いろいろな時代の技術が混ざっている点が面白いと言われているそうです。

寝室や厠まで公開されてしまうのは、ちょっとかわいそうな気もしたのですが、皇室の定めでしょうか?




謁見の間です。
御用邸の中でもっとも重要な部屋です。
ここでどのようなドラマが演じられたのでしょうか?




当然御用邸の中では飲食は禁止されています。
しかし敷地内に茶屋が一軒あって、そこで軽いお茶が飲めます。

田母沢セットという水羊羹とお茶のセットを食べました(笑)




15時25分 含満橋。

御用邸を出て裏通りを大谷川の方へ進むと、含満橋があって川の向こうへ渡ることで出来ます。
このあたりは明治35年の台風被害を一番ひどく被ったところで、土石流が川の周りの地形を変えてしまったといいます。




15時30分 憾満ガ淵。

上流に少し行くと憾満ガ淵と呼ばれる沢があります。
川の流れによって削られたゴツゴツとした溶岩が露出しており、非常に変わった景観を楽しむことが出来ます。
水の流れの音が不動明王の真言に似ているという理由で、呪文の最後の句から取った名前だそうです。
日光は宗教と密接な関係がある場所なのです。




15時33分 並び地蔵。

その代表的なものがこの並び観音でしょう。
慈眼大師天海の門弟たちが彫ったものだそうですが、約100体あったものが、およそ30体が台風で流されてしまいました。

顔が無いものや台座だけ残っているものもあります。
今でも地中のどこかで眠っているかと思うと、寂しさと不気味さを感じます。
ここは極めて霊的な空間ですね。




15時55分 地震。

その後山道を通って、もう一度含満橋に戻ったところで、地鳴りと地震に襲われたのは、ブログのプチ日記に書いたとおりです。

山全体が鳴り始めたので本当に驚きました。
何にも出来ずにその場に立ちつくすだけでした。




16時15分 金谷ホテル。

いつもの通り金谷ホテルに行きました。
1階の喫茶でケーキセットを食べました(笑)

その後ロビーの椅子に座って一休みしました。
実はこの椅子は個人的に特別な場所です。
いつも父親がここに座って休んでいたからです。
ここに座って何を見て何を考えていたのかと思って、自分も座ってみました。

父がここに座っている写真を葬儀の時使いました。




その後有料道路を使って一気に帰宅しました。
家に帰りついたのは18時30分でした。
日帰りですが思いの外いろいろなことが出来ました。

しかし日光は長い歴史を持つ場所なので、ちょっと行っただけで全てを見ることは出来ません。
家に帰ってからガイドブックを見てみると、せっかく行ったのに知らなかったことや、まだ行ったことのない場所が次々に出てきます。

昔からこの地に惚れ込んだ人がいっぱいいますが、その気持ちがわかるような気がします。