2004年 8月24日(火)
多摩動物公園


僕の趣味のひとつに「動物園のクマを見る」というのがあります。
森の中で野生のクマに遭遇するのはご免こうむりたいですが、動物園で飼育され野生が抜けて腑抜けになってしまったクマを見て回るのは、それはそれで面白いものです。

面白いなんて書くと動物愛護団体からお叱りを受けそうですが、ただ「あいつは今日はどうしているかな?」という程度の気持ちで顔を見に行ってやるわけです。
もっともあちらが「よく来てくれた」と喜んでくれるわけではないのですが・・・(笑)



日曜日に多摩動物園に行きました。
正式には東京都多摩動物公園です。

新宿から京王線の特急で30分くらいでしょうか。
途中、高幡不動という駅で乗り換えました。
すごく遠いというイメージがありましたが、家から1時間半くらいで到着しました。

多摩動物公園は山を切り開いた広大な敷地にあり、緑の木々に囲まれたなかなか環境の良い動物園です。
園内は背の高い木々に覆われ、空気には緑の香りが混じり、蝉の声がこだましています。

同じ公営の上野動物園が雑然とした場所にあるのに比べると、ここの動物たちの方が幸せですね。

ただし小高い山の上にあるのですから、園内の道はアップダウンが激しく、全ての動物を見て回ろうとすると、けっこうなハイキングコースになります。

動物園に行くとなると重い望遠レンズを持っていきたくなりますが、それを持ってこのコースを回るのはかなりきついですね。
上野に比べると炎天下でも木陰があるのが救いですが・・・

夏休み中の日曜であるにもかかわらず、人出は大したことなく、何となくのんびりできる動物園でした。
多摩動物公園にもちゃんとエゾヒグマがいます。
(いなけりゃわざわざ行かない・笑)
で、これが多摩動物公園のヒグマ舎です。

悪くはないですが、他の動物の飼育舎と比べて、それほど広いとは言えないですね。
待遇としては、まあ中クラスでしょう。


まずはインフォーメションに行ってエゾヒグマの名前を聞きます。
窓口の女の子が応対してくれました。

「お宅にいるエゾヒグマの名前が知りたいのですが・・・」

「ヒグマの名前ですか?あれは「センダイ」といいます」

「セ・・・センダイ??エゾヒグマが仙台ですか??」

「はあ・・・」

「どう書くんですか?東北の仙台ですか?」

「・・・ちょっとお待ちください」

そう言って女の子はあちこちに電話をして調べてくれました。
こんな変な質問をするお客もめずらしいのでしょうね。

「すいません。「センダイ」は昨年の春に死んだそうです。今いるのは「ミチ」です」

「ミチ・・・」(・・・つまらない名前・・・)


で、下の写真がミチです。




うわあ・・名前よりもっとつまらない顔をしています(汗)

何だか情けない奴ですね。
「あまりいい事のなかった私の人生・・・」といった感じです。


      

上野のイナオと比べると、ミチにはどうもスター性がありませんね。

見物客を楽しませようという気は毛頭無い様子で、情けない顔をしたまま、飼育舎の隅っこにある出入口の周りをウロウロして離れようとしません。
きっとそこからエサをもらえるのでしょう。
仕様の無い奴です。
おや?
突然ミチが何かを始めました。

丁寧に落ち葉を集めています。
何をする気でしょうか?
実はきれい好きなのかな?
これが本当の熊手というやつでしょうか?

「ほら、こんなに集まりましたよ」という顔でこちらを見ています。

なるほど・・・で、どうするの?
えっ?
それで終わり??

お前ナー・・・
そんなんで済むほど世間は甘くないよ!


落ち葉集めはミチの唯一の芸なのでしょうか?
それともきれいに掃除すればご褒美にエサがもらえるのかな?

クマのように頭の良い動物は、動物園で飼育されると妙にずる賢くなってしまい、とにかくエサをもらうことに全ての能力を集中するようになります。
なんだかわびしくて、見ていて哀れな感じですね。


多摩動物公園は上野に比べると動物たちまでのんびりしているように見えます。
木々の生い茂った環境というのは、動物にとっても快適なのでしょう。
猿山のサルものんびりと寝転がっています。
多くのサル達が無防備にお腹を見せながら昼寝をしていました。
敷地が広大なので、サル舎は非常に立派な大きいものでしたが、かと言って何もやることがないのか、サルたちはだらしなくゴロゴロしています。
昆虫生態園というのがあって、昆虫だけを専門に扱っているエリアがあります。
ちょうど夏休みということがあり、親子連れが宿題をするために大勢集まっていました。
ここにはドーム状になった昆虫たちのユートピアのような閉鎖された空間があります。
中には小川が流れており、昆虫が放し飼いになっています。
ここはなかなか見事でした。
ドームの中は無数の蝶々がひらひらと飛んでいます。
ご覧のように足元には蝶の種類を説明したプレートが並んでいます。

花から花へと眼前を自由に飛び回る蝶々たちに、思わず見とれてしまいました。
ここではマクロレンズがものを言いますね(笑)
興奮した子供の中には、本能的に蝶をつかまえてしまう者がいるのでしょう。
蝶はデリケートなので手で触れないように、という立て札が立っていました。

当然カブトムシやクワガタは放し飼いにはなっていません。
すぐに持っていかれてしまいますから(笑)
昆虫のエリアを出て、アフリカ園の方に向かうと、オランウータンが芝の上でこちらの様子を窺っていました。
ドラム缶の台の上で頬杖をつきながら、顔をじっくり見られると、何だかこちらが落ち着かなくなってきます(笑)
ゾウは何だか元気がありませんでした。
こういう巨大な動物は、動物園ではスター扱いではありますが、かえって哀れみを誘いますね。

全体に夏バテ気味の動物が多くて、夏は動物園に向かない季節だということがわかりました。
キリンは何とも不思議なデザインですね。
どうしてこういう形と模様になったのでしょう?
動物園のキリンは動きがゆっくりで、何を考えているのかまったく想像がつきません。
サイは立派なはずの角が切られており、ちょっとかわいそうでした。
サイの鎧のようなデザインも不思議な形です。
まるでガンダムに出てきそうですね(笑)
ライオンは特別扱いで、広大な専用の敷地に放されています。

敷地内には巨大な宮殿風建物まであり、専用のライオンバス(別料金)に乗って、こちらから中に見に行くわけです。
僕はライオンバスに乗らなかったので、敷地の外のはるかに離れた場所から写真を撮りました。
暑いのか、水牛が水に浸かっています。
見ると、このままの状態で巨大なフンをしていました。
衛生的とは言い難いですね。
コアラは動物園で一番の待遇を受けています。
コアラ館という大きな建物があり、VIP並みの扱いでした。

贅沢に使った空調付きの広い空間に木が数本植えられており、その上に数頭のコアラが放されています。
ちょっと過保護すぎるような気もします。
ガラス越しでしか対面できず、しかもフラッシュ撮影禁止なのですが、デジカメは1枚毎に撮影感度を変えられるし、コアラの動きもゆっくりなので、撮影は簡単でした。
トラ舎は遮蔽物が少なくて、直射日光が当ってかわいそうでしたが、これはきっとトラの野生での生活環境を考えて作られているのでしょうね。

口を開けっ放しで締りのない顔ですが、最初から最後までずっとこの状態でした。
やはり直射日光に少しバテ気味のようでした。

最後になりますが、ちょっと気になることがあったので、それについて・・・

インドサイが、体のどこかが痒かったらしく、見物人の側まで来て、板に激しく体をぶつけだしました。
手の届きそうな場所で、うなり声を上げながら、何度も何度も体を擦りつけます。

これだけ大きな体が目の前で大暴れしているのですから、さすがに危険を感じて、僕は思わず一歩さがりました。
ところが周りの人たちは面白そうに身を乗り出して見ているんです。

女の人がボケッと見ているのはまだ仕方が無いとして、「おとうさんが付いているから平気だよ」と言って、怖がる子供をサイの上に出してみせる父親までいました。
絶対にサイが檻を飛び出してくることはない、と信じて疑わないようなのですが、常識で考えてもこれだけの質量のものが目の前で激しく動けば、予想外のことが起きる可能性を考慮すべきだと思うのですが・・・

僕には危険を察知する能力が退化しているのではないかと思えました。
テレビゲームで育った子供が大人になると、ああなってしまうのでしょうか?


2004年 8月15日(日)
フィッシュアイ

お盆休みには毎年のように家族で東北の某温泉に出かけます。
かなりの高級旅館なのですが、毎年予約が一杯で、早目に来年の分を予約しておかないと取れないことがあります。
でも今年は何となく宿がすいているように見えました。
昨年の反動で、海外に出かけた人たちが多かったのかもしれませんね。


もちろん今回もデジタル一眼レフを持って行きました。
愛用のニコンD100です。

ニコンにはCapture4という極めて優れたソフトウェアがあって、これとニコンのデジタルカメラを組み合わせることによって、銀塩時代には考えられなかった様々な処理が可能になります。
デジタル一眼レフカメラは、ボディやレンズ等ハード面での出来不出来で語られることが多いですが、ソフトウェアとの組み合わせによって本来の力を発揮するように思います。
実際Capture4という優れたソフトの存在によって、いまのところニコンが他社をかなりリードしているように、個人的には感じています。

Capture4の最大の利点は、RAWデータばかりでなくJPEGのデータでも、画質を劣化させることなく様々な処理が可能なところです。
理由はCapture4が独自の保存方法を採用しており、画像を加工した後もオリジナルの画像をキープしているからなのですが、たとえば一般に良く使われているphotoshop等で加工すると、処理のたびに画像がどんどん劣化していくのがわかって、大きく引き伸ばす場合はかなり不利になります。

これはCapture4が写真補正専用のソフトとして開発されたからこその利点であり、逆にphotoshopのような切り貼りなどの加工はCapture4では出来ません。
またここで言うような画質の劣化も、写真をA3の大きさ以上に大きく引き伸ばしてプリントする場合の話で、Web用やA4のプリンターで出力する程度なら、それほど気になることはないのですが・・・

Capture4には他にもいろいろな機能があるのですが、興味がおありの方は、ニコンのHPででもご覧ください(笑)
このソフトのことを紹介するのが今回の目的ではありません。

実はこのソフトにはオマケ的な機能で、ニコンのデジタルカメラ専用魚眼レンズである AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G のための専用フィルターが付いています。
「フィッシュアイレンズ変換」という機能なのですが、この魚眼レンズで撮影した画像にこのフィルターを通すと、フィッシュアイレンズ特有の周辺部の歪を補正して、通常の広角レンズで撮影したような画像に変換してくれます。

僕はCapture4の取説を読んでいるうちにどうしてもこのレンズが欲しくなってしまいました。
ところが休みに入った初日に温泉に出発してしまうので、レンズを買いに行く時間がありません。
どうせなら旅行中にこのレンズを使ってみたい・・・
で、ちょっと極端な方法かと思ったのですが、旅行先でカメラ屋さんを探して、このレンズを1本買うことにしました。

何ヶ所か探した結果、郡山のヨドバシカメラで在庫を1本みつけました。
ちょっと高かったのですが、そこの店員さんがすごく感じ良かったので、まあOKとしましょう(笑)
これも一期一会です。


旅行先の写真など載せても大して面白くないでしょうから、今回はこのレンズで撮影した画像と、Capture4で変換した後の画像を比べてみることにしましょう。

変換は本当にボタンひとつで済んでしまいます。
変換後の写真は画角に関しては一切いじっておらず、Capture4による加工の結果をそのまま載せています。

AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G
で撮影した画像
左の画像をCapture4の
「フィッシュアイレンズ変換」で加工した結果の画像
これは旅行先の林の中で撮りました。
まっすぐな木は、フィッシュアイレンズの歪を表すのに丁度良い素材です。
補正は機械的に画像を伸び縮みさせるので、特に周辺部で画質が荒れますね。

旅行先のお蕎麦屋さんの窓から外の景色を撮りました。
フィッシュアイは歪が激しいので水平がとりにくいです。
補正後の画像が予想外に傾いてしまうことが多いですね。

山奥でみつけた沼です。
ひっそりとしていて気持ち悪かったです。
フィッシュアイは画角が広いので、被写体にかなり近付かないとダメで、本当はもっと近くに寄りたかったのですが、こういう場所の場合これ以上近寄ると沼に落ちてしまいます(笑)


これは旅館の部屋での写真です。
パソコンや襖が湾曲しているのが強制的に補正されます。
また変換後は上下左右が切られて、画質的に「見られる」範囲で四角い枠の中に納められているのがわかります。
因みに枠に入りきれなかった部分をすべて表示することも可能です。

旅館のホールです。
庭を見渡せる大きな出窓があります。
本当にここは素晴らしい旅館なんですよ。
この窓枠のように上下左右にラインが入ると歪み方がよくわかりますね。
本来外に飛び出している出窓が魚眼のいたずらで平らに見えます。

これは米沢の上杉神社で撮影したお堀のコイです。
エサをやる人の周りに集まってくるのですが、あまりに大きい個体もいて、怖くて悲鳴をあげている女性がいました(笑)


ところ変わってこちらは銀座の数寄屋橋交差点です。
今日フィッシュアイレンズを手に行ってまいりました。
正面はソニービルですね。
横断歩道のラインが歪を的確に表しています。


正面はエルメスのビルです。
まるでレンズの歪を検査するために作ってくれたようなビルです(笑)
ソニービルの下から撮影しました。

これはルイ・ヴィトンの仮ビルの1階にある地下鉄の入り口です。
見事にまっすぐになりますね。
離れて撮っているように見えますが、相当近接した場所から撮影しているんですよ。
ニコンの場合35mm換算では1.5倍になるので、10.5mmというとほぼ16mmに相当する超広角レンズです。
気をつけないと自分の足が画面に入っていしまいます(笑)


歌舞伎座の正面から撮影しました。
周りの人にはこんなに広い範囲が写っているなんてわかりませんから、レンズを向けられても油断しています。
フィッシュアイは隠し撮りにも適していることがわかりました(笑)


スターバックスカフェにて撮影。
机が丸くなっていますが、本当はまっすぐな板です。
逆に傘の柄は画像の端っこなので、補正後の方が歪んでいいますね。


だんだんと日が傾いてきました。
少しずつ街に灯りがともり、銀ブラの雰囲気が出てきましたね。


この写真はあまりフィッシュアイの効果を感じさせませんね。
僕はフィッシュアイレンズって初めて買ったのですが、けっこう使いこなしが難しいです。
腕が悪いのでしょうが、似たような写真ばかりになってしまいます。


ニューメルサのエスカレーターです。
これは差がわかりやすいですね。


すっかり日も暮れました。
こちらは四丁目の交差点です。
正面は三越です。左に和光の時計台も見えますね。
フィッシュアイは球状に歪むので、画面の中心から上と下で画像の流れ方が異なります。
ファインダーを覗いたままレンズを上下に振るとめまいがします(笑)


こちらは三愛の丸いビルです。
昔はこのビルに三菱ダイヤトーンのショールームがあって、時々見に行きました。



やはりフィッシュアイレンズは非常に特殊なレンズですね。
いろいろな作例を見て研究してからでないと使いこなせない感じです。

またCapture4での補正も、強引に機械的に処理するだけなので、画質がかなり悪化します。
この機能はあくまで一種の「遊び」だと考えるべきでしょう。
超広角レンズの代わりとしてこの補正を使うのは難しいように思います。

2004年 8月7日(土)
トランクルーム

数ヶ月前に部屋の片付けに着手したのですが、いつまでたっても一向に片付く気配がありません。
要するに物があり過ぎて、どう工夫しても狭い僕の部屋には収納しきれないのです。
そこで思い切ってトランクルームを借りることにしました。
今流行の月極めの貸し倉庫です。

借りようかと思って家の近所を見てみたら、あるわあるわ・・・ちょっと歩き回ってみるとすぐに5、6ヶ所の倉庫をみつけました。
でもお値段もけっこう良くて、大体1万円/月くらいがこの周辺の相場のようです。

もう少し安いところはないかと思って探し回ったら、5,600円/月というところをみつけました。


早速借りる手続きをしましたが、案外人気が高いようで、空室は1部屋だけでした。
広さは幅80cmで奥行きが2m弱。
値段が高いところはもう少し幅が広いようです。

驚いたのは借りる手続きがけっこう面倒なことです。
住民票とか印鑑証明とかを不動産屋さんに提出しなければならないんです。
それ以外にも勤務先とか年収とか、けっこう事細かに身元を調査されます。

たかがレンタルの倉庫で、と思いましたが、倉庫というと事実上家を借りるのと同じで、危険物や死体なんかを置かれたらたまらないからでしょうね(笑)
あと保証金も取られました。


で、めでたく契約が成立して、先程車で荷物を少し運び入れてきました。
自宅から車で5分くらいのところです。

倉庫に何を置くか?というのは案外難しい問題です。
滅多に使わないけど捨てるには忍びないもの・・・何年も使わないなら、捨ててしまった方がいいわけですから、お金をかけて保管するなんて馬鹿げているわけです。

とりあえずは我家の廊下を占有していた古いStereoSoundと作っていないプラモデルの箱を入れてみました(笑)
あとシナジーの空箱とかも運びました。

ちなみに本来は洋服とか扇風機とかスキー板とかタイヤとか・・季節ものを保管するのが正しい使い方のようです。

2004年 8月1日(日)
涼しいお話

池袋で眼鏡を作ってきました。
安くて有名なZoffというお店です。
このお店にはレンズ料金込みで5,000円、7,000円、9,000円(いずれも税抜き)の3種類の眼鏡しか置いていないんです。
実は池袋にお店が出来て話題になっていた頃、そこで眼鏡をいくつか作ってもらったことがあり、この数年使ってみて調子が良かったので、今回もそこで買うことにしたんです。

僕が子供の頃は眼鏡は1個3万円くらいはして、一度にいくつか作ってもらうなんて考えられないことでした。(今でも町のお店ではそのくらいしますが・・・)
でもこの値段なら7個買って1週間毎日変えることも可能ですね(笑)
(聞いた話では眼鏡のフレームの原価はタダみたいなものなんだそうです)
今回はふたつ買って\12,600でした。
フレームを選んで検眼したら、後は1時間くらいデパートの中をぶらぶらしているうちに、レンズが入って完成してしまうんです。

それにしても最近の眼鏡は小さくて視界が狭いですね。
かといって今時フレームの大きな眼鏡をしたら、すごくカッコ悪いですしね(笑)
困ったものです。




眼鏡で思い出した話があります。

叔父が戦時中満州に行っていた頃の話です。
江戸っ子の叔父は、僕と違ってかなりオシャレで、最新型の楕円形のフレームの眼鏡をかけていました。
多分マッカーサーがしていたようなやつです。
周りの人はまだ真ん丸い眼鏡だった頃です。

で、陸軍に徴兵されて満州にいたある日、上官が「貴様らぁ!」といって叔父達に詰め寄ってきました。
何かくだらない理由だったと思うのですが、当時の軍隊では何かにつけ上官が新兵を殴っていたわけです。
叔父の隊列の兵隊が次々に殴られ、次は叔父の番になりました。
上官は叔父の眼鏡を睨み付けました。
こりゃあ、えらいことになった。殴られる恰好の理由を与えてしまった・・と叔父は観念しました。

ところがその上官は田舎の人で、そういう眼鏡を見たことがなかったのだそうです。
で、一瞬の間の後
「貴様、何だその眼鏡は!変な形にひん曲がっとるぞ!直しておけ!」
と言って、そこで殴るのをやめてしまったのだそうです。

最新型の眼鏡のおかげで、殴られるのを1回だけ助かったというお話でした(笑)

もっともその後、敗戦の大混乱の中、その眼鏡はロシア兵に取られてしまいました。
目の悪い叔父は眼鏡がないと歩くことも儘ならず、生きて帰国するのは絶望的になってしまったのですが、同期の兵隊さんが、「僕は眼鏡がなくても何とかなるから、君がかけろ」と言って自分の眼鏡を叔父にくれました。
それはまるで江戸時代のような「耳ひも」のついた眼鏡だったのですが、その眼鏡のお陰で叔父は奇跡的に生きて帰国出来ました。

それにしてもあの度の強い眼鏡を、ロシア兵はどう使ったんだろう?という笑い話を今でも時々するのですが、そんな話ができるのも生きて帰れたからこそですね。


今日から8月ですが、今年は先月から暑い日が続いていますね。
今日も暑かったです。

で、何か涼しげな写真はないかと探していたら、20年ほど前に撮影したとても「涼しい」写真が出てきました(笑)


これはご存知マッターホーンですね。
スイスのツェルマットという登山の玄関口の町から撮影した写真です。
この町は空気を汚すエンジン車の乗り入れが禁止されていて、町には登山電車で行くようになっているんです。
走っているのも電気自動車ばかりです。

この写真は朝早く起きて、ツェルマットの町の橋の上から撮りました。
マッターホーンの先端だけが明るくなっていますが、四方を山々に囲まれたこの町では、町の反対側に朝日が昇り始めると、反対側の山脈の陰で暗かったマッターホーンの「先端部分」から光が当り始めて、太陽が昇るのにつれてだんだんと明るい部分が下まで降りてくるんです。


で、ツェルマットに出かけた時の最大の「お楽しみ」は、エアーツェルマットというジェットヘリでの遊覧飛行です。
当時はこんな豪遊をすることに少なからず気が引けましたが、チャーター料はたしか5万円くらいとそれほど高額でもなかったので、皆でお金を出し合って乗ってみる事にしました。
運良く稀にみる晴天で、空には雲ひとつありませんでした。
そのためヨーロッパのテレビ局も取材に来ていて、別のヘリから空撮していました。

ではヘリがマッターホーンに近づいていく連続写真をご覧ください。
パイロットもこんなに晴れるのはめずらしいということで、頂上に手で触れられそうなところまで近づいてくれました。

僕はまだ大学生で、カメラはニコンF3、レンズはたしかAiニッコールの50mmf1.2だったと思います。
コダクロームから安物のスキャナーで読み取った映像なので、画質が悪いのはご了承ください。
多少は涼しくなるかもしれませんよ(笑)

ところでヘリって前進する時は極端に前傾姿勢になって、けっこう怖いものなんですね(笑)