☆ 表面仕上げ カービング ☆
アンディ・アンダーソンの銀製品を作っていたというジョセフ・コンドン氏のリグ。黒く染められたリグの全面にカービングが施されている。
こちらはアルボ・オジャラのハンド・カービング・リグ。世界に十数個しかなく、スターリング・シルバー製のバックルが付く。ベルトの内側には名前を入れてもらった。
表面にカービングを施したエル・パソ・サドルリーのカートリッジ・ベルト。
スタンプを押すためのスタンプ・ツール。様々な模様が用意されている。
スタンピングを施された「メキシカン・ループ」パターン・ホルスターの例。ホルスターの縁に沿って刻印されている。
 ウエスタン・レザーには、独特の表面仕上げがあります。カービングと呼ばれる彫刻がそれで、まさに革職人の腕の見せ所です。
 ガンベルトの会社によっては、このカービングやスタンピングが選択できる場合があります。もちろん値段は大幅にアップする事になりますが・・・
 カービングされた革製品は、かなり派手になるので、日本人では持って歩くのに気後れしてしまうかも知れませんね。
 一般に革職人は、ラウンド・ナイフと呼ばれる三日月型のナイフで、原皮から各パーツを切り出します。
  そのままホルスターを組み上げてしまえば、表面がプレーン仕上げのガンベルトができあがりますが、切り出した時点で、革の表面を加工する時があります。
  革を十分に湿らせて、大理石などを下敷きとして、専用のスタンプを木槌でたたけば、革の表面に、深くスタンプがめり込みます。これをスタンピングといいます。 一度深くスタンプしてしまうと、百年たっても消えずにはっきりと模様が残ります。
  またスタンプ用の工具も、様々な模様が何百種類も用意されています。 ホルスターの縁の部分(ボーダー)に模様をつけたり、ホルスター全面に特殊な形のスタンプを連続的に打って、バスケット・ウェイブなどの幾何学模様を作り出したりします。
 たとえばエル・パソ・サドルリー社の製品は、仕上げの種類が豊富に選択可能で、通常の「プレーン」や「ラフアウト」以外に、スタンピングだけで4種類用意されています。(カタログNo98の場合)
 また、表面に彫刻(カービング)を施す場合もあります。
 やはり革を十分に湿らせた後、表面に彫刻するデザインの下書きを、軽く跡を付けるようにして写し、デザインの大まかなラインのみを、スィベル・ナイフという小さなカッターを使って、切りつけ書きこんでいきます。
 その後、様々なスタンプや、ベベラーと呼ばれるヘラを利用する事で、彫刻に陰影をつけ、デザインを浮かび上がらせていくのです。
 デザインは、たいていは植物をモチーフとした独特の模様で、それを浮き立たせる為にバックグラウンドの部分を黒く塗りつぶしたりもします。
  カービングをするには、職人の腕がものをいい、今でも各地でコンテストが行われています。 ほとんど手作業で行われる為、高い技術が要求され、入賞した職人のカービングの入ったバッグなどは、しばしば驚く程高価に取引されます。
 腕の良い職人の作品は、芸術的レベルに達していると言って過言ではないでしょう。