現代のホルスター・メーカー@
☆ オールド・スタイル・ホルスター ☆
1.オールド・スタイル・ホルスター
エル・パソ・サドルリーの1897ホルスター。特別なカービングを施し、周囲をレース編みにしてもらった。こういう細かい要望に応じてくれる。
ワイルド・ビルズ・オリジナル製のミーニーの極上リプロダクション。「パッキング・アイアン」の表紙を飾ったミーニー・ホルスターのレプリカだ。ミーニーもビックリの出来?
上はオールド・ウエスト・リプロダクション製のテディ・ルーズベルト・ホルスターのレプリカとフランクリン・ミント製のテディ・ルーズベルトSAAレプリカ。黄金の組み合わせだ。
下がジーン・オートリー博物館にあるその実物。どこまで似ているか?
カリフォルニア」パターンのホルスターも当時のカービングを再現して作ってもらうことができる。M1849カリフォルニアン・ホルスター。

パットン将軍が使ったという#5パットン・ホルスターも同社の目玉商品のひとつ。写真のパットンSAAとは黄金コンビだろう。
スチュワートのホルスターは、まさにつぼを押さえた製品作りがなされている。嬉しくなってつい注文してしまう。
かなり高価だが、さすがと唸らせる製品作りだ。強烈な臭いだけが難点。
スチュワートの製品は、どれをとっても形のセンスが良い。本物をよく知っている人の作品である。
オールド・ウエスト・リプロダクションズの製品群は、実物の特徴を良く再現してある。
エル・パソ・サドルリーのライン・ナップは相当豊富で、毎年新型が加わる。これは「スケルトン」タイプのショルダー・ホルスターのレプリカである。「ポメル・バッグ・ホルスター」などもカタログに載っている。
カービングを施したD・F・ローランドの複製品ホルスター。本物のアンティークでこれだけのクオリティなら凄い値段になるだろう。
 ガンベルトを作る革職人は、アメリカに大勢います。早撃ち用のガン・リグを製造するメーカーから、アンティークの複製品を作るメーカー、その両方を作っているメーカー…
 つくづくアメリカという国は広いな、と感じるのは、製品の品質にピンからきりまである、ということです。 マスターと呼ぶにふさわしい仕事から、まるで素人工作のようなひどいものまで、レンジの広さは相当なものです。
 あまりに土地が広いので、品質に激しい差が生じても、その土地の人達を相手に何とか生きていけるのでしょうか。
 私は、以前アメリカ各地のメーカーから、多くのホルスターを取り寄せました。しかし、なかなか品質の良い物には巡り合いませんでした。
 その中からお勧めできるメーカーのものをいくつか厳選して、ここでご紹介しようと思います。 ただし、現在はほとんど買うことはないので、ここにあげたデータは少し古いかもしれないので、どうかご了承ください。
 私が買わなくなった原因は、本物のアンティークのホルスターと比べると、所詮複製品にすぎないので、歴史的価値は皆無であることに気付いたからです。それらは、純粋に革製品としての価値しか有していません。
オールド・ウエスト・リプロダクション

 R.M.バックマン氏の主宰するアンティークの複製品のメーカー。氏によれば、この手のメーカーの草分け的存在であり、未だに自分の製品を超えるメーカーはないという。氏は実物のホルスターを多く所有しており、製品もそれに基づいて作られている為、説得力のあるデザインで、納得できるものが多い。
 革はハーマン・オーク・レザー製。ただし革の質はイマイチか。(氏の製品は、ニートフッド・オイルなどで仕上げることを禁止している。)
 カタログには誇り高そうなバックマン氏が、1800年代当時の恰好で、自らコスプレして登場する。
 目玉といえるのは、テディ・ルーズベルトのホルスターのレプリカで、鹿皮のライニングがほどこされている。(実物はジーン・オートリー博物館に展示してある。)フランクリン・ミント社製のルーズベルトのピースメーカーを持っている人は必需品かも。
 また「マネー・カートリッジ・ベルト」の材質も、しぼの入ったカーフ・スキンを使っており、他社にない質感を誇る。 TVの「ヤング・ライダース」などに製品を供給している。

エル・パソ・サドルリー

 古くから製品を作っていたが、1975年頃から再開した、製品数や仕上げの豊富さで特筆すべきメーカー。
 何種類もの仕上げの要求に応じ、製品もオールド・スタイルの複製から早撃ち用リグ、現代ホルスターまでバリエーションがすごい。ホルスターの外縁部のレース編みにも対応してくれる。軍用ホルスターに押す刻印の種類まで、9種類用意していて、実にきめこまかく対応している。カービングも、通常の現代的なものと特別仕様の手の込んだもの、1800年代の開拓時代のものの3種類ありバック・グラウンドの処理等細かく指示できる。
  これら豊富な対応は、かつてこの地に栄えたS.D.マイレス社と密接な関係があると思われる。おそらく同社の工具もそのまま引き継いでいるのだろう。実際マイレス製で有名なパットン将軍のホルスターのレプリカを製造しており、「自分たちがかつてパットン将軍に作ったものと同じ」と謳っている。このホルスターは、パットンSAAを持っている人には必需品。
 革の質は大変良いもので、使うほどに味が出るタイプ。ただしカービングしたり、黒く染めたりすると、革が硬くなる傾向があるようだ。
 欠点はデザインが少々ドン臭いこと。
  映画「ワイアット・アープ」にガンベルトを供給したようだが、なぜ時代考証を無視して「バスカデロ」パターンにしたのか不明。

スチュアート・サドルリー

 スチュアート氏は博物館の仕事をしていたこともあり、ハンドメイドにこだわったそのホルスター作りはかなり本格的なもので、さすがは専門家とうならせる、うまく特徴をとらえたデザインだ。「複製品ホルスター」の雄と呼んでいいだろう。
 サドルも作っているが、オーダーは1年に6個しか受けないという職人気質。
 革も素晴らしい物で、最初は表面の色が白っぽいが、使いこむ内にだんだんと茶褐色に変っていく様子がカタログにも謳われている。 革そのものが良いので、どの製品も品質が高い。目玉商品といえるのは、ブリッジポート・リグの複製。

ワイルド・ビルズ・オリジナル

 「複製品の王様」との異名を持つ、ビル・クレバー氏の会社。
 革製品を薬品に浸けて劣化させて、古い感じを再現している。複製品の新品の雄がスチュアート氏なら、アンティーク風仕上げの、もう一方の雄は、間違いなくビル氏だろう。
 カービングの技術もすばらしく、ミーニーなど当時の職人も驚きそうな出来。
 ただし非常に高価であり、下手をすると本物より高くなるので、ミーニー等の一流品を複製の対象にしてもらわないと損。もはや芸術品の領域。

マリオ・ハネル

 骨董屋を父に持つと言うマリオ氏は、ビル・クレバー氏の弟子に当たり、アンティーク風仕上げの素晴らしい製品を作る。
 意図的に酸で劣化させた独自のホルスターは、強烈なにおいを発しており、日本人にはちょっときついかもしれない。 だがカービングやスタンピングの確実さは、さすがビル氏の弟子だけあって、群を抜いている。本物以上に本物っぽいのが特長。

これはワイルド・ビルズがコルト・コレクターのR.L.ウィルソン氏に作ったリプロダクション。めぐりめぐって私のところへやってきた。