早撃ち御三家の時代A
☆ アルフォンソー・ピネダ ☆
アルフォンソーA9コンサバティブ・モデル
現在はアルフォンソのカタログから落ちてしまった。贅沢にも繋ぎ目の全く無い1枚の革から切り出して作ったリグだ。カービングを施してもらい、バック・グラウンドはあえて染めないでもらった。(後から自分でダーク・ブラウンに染めて仕上げた。)
A9のカービング・モデルは世界にひとつしかないと、オマール・ピネダ氏が言っていた。
アルフォンソーA2のフル・カービング・モデル。このように様々な仕上げが選択できる。
A2は、アルフォンソーではもっともポピュラーなリグであろう。
アルフォンソーの早撃ち競技用リグA1(右)とA2(左)。A1は黒いバスケット仕上げで、ポリス風にしてもらった。アルフォンソーのガンリグは、ホルスター部分が若干ゆるめに作られており、銃が抜きやすい。
 アルフォンソー・ピネダは、主に早撃ち競技用のリグの製造に情熱を燃やしました。
 彼も早撃ち全盛の頃、ノース・ハリウッドに大きな店を構えました。しかし、西部劇や早撃ちのブームにはむらがあり、需要も激しく上下します。現在は、残念ながらその店は売られ、近くの倉庫街に移って商売を続けています。
 彼のリグも時々映画の中で見かけることがありますので、ハリウッドに本拠を置くことは、都合のいいことが多かったのでしょう。
 アルフォンソー・ピネダは、数年前に他界し、現在は息子で弁護士のオマール・ピネダ氏が、商売の後を引き継いでいます。
 私は、彼の店を訪ねたことがあります。彼は日本からの珍客を歓迎してくれました。以前に何度か注文したことがあるので、彼も私の名前は知っていましたが、「もっと年を取った人かと思っていたよ」と感想を漏らしていました。
 彼も奥さんは日系ペルー人だそうで、夫婦で訪問した私たちを、特別親しく感じたようです。 
 現在のアルフォンソーは、メキシコ人の革職人を何人か使い、主に早撃ち競技(コンペティション)用のリグを製造しています。各地で行われている早撃ち競技の写真を見ると、スポンサーの垂れ幕の中に、時々「アルフォンソー」の文字を見つけることがあります。 
 アルフォンソーのラインナップは相当豊富ですが、「A1」や「A2」といったコンペティション用のモデルが有名です。
 彼のリグのデザインは、荒々しい迫力や凄みがあるのが特徴で、強度を上げるためにダブル・ステッチが多用されています。ホルスター部分だけではなく、ベルト部分にも一部メタルが挿入されており、そのオーナーの早撃ちのスタイルに合わせて、ガンベルトの形や角度を、手で強引に変えて使うことができます。
 アルフォンソーの早撃ちリグの特長として、銃を「体から離した位置に置く」ということがあげられます。他の二人のように、体の脇に密着させるタイプではなく、銃のポジションを、体から少し離れた位置に持ってきて、抜きやすい体勢を作るのです。そのためガンベルトのデザインは、少し大袈裟で迫力あるものです。この方式は、後の早撃ち用リグの主流となりました。
 また、最近流行になっているカウボーイ・シューティング用のオールド・スタイルのホルスターもカタログに載っています。
 アルフォンソーは、早撃ち用ホルスター以外に、ズボンベルトや鞄などの革製品も作っており、日本にも輸出していると言っていました。
派手なカービングの施されたアルフォンソーのバッグ。これを持って歩く勇気はあるか?