☆ メキシカン・ループ・パターン・ホルスター ☆
変った形の「メキシカン・ループ」ホルステーの一例。少なからず近代的デザインが施されているので、恐らく1900年代になってから作られたものと思われる。
モンタナ」スタイルの「メキシカン・ループ」ホルスター。一見凝ったカービングが施されているが、同型の様々なバージョンがオークションによく出されるのを見る。多分カタログ通販で誰でも買えた安物だろう。
メキシカン・ループ」パターン・ホルスター。バック・フラップの切れこみに本体を差し込む。このホルスターは時々見かけるので、全国で大量に売られたものと思われる。年代的には1800年代の終わり頃のものと言われている。
 マネー・カートリッジ・ベルト」の登場により、ホルスター本体にも変化が求められました。
 幅と厚みのあるこのベルトに通す為に、「カルフォルニア」パターン・ホルスターでは不都合が生じたのです。
 さらには、ホルスターがベルト上を左右に移動できることも要求されました。馬に乗る時、ホルスターが一時的に体の左側に移動できると都合が良かったのです。また、ベルト上の弾丸を常に取り易い位置に持っていく為、ベルトをお腹の上で回すこともありました。その時ホルスターまでいっしょに動いてしまうと困ります。常に銃が抜きやすいところにあってほしかったのです。
 そうした要求に合ったホルスターが、1870年代にメキシコとの国境付近で生まれました。それが「メキシカン・ループ」パターン・ホルスターです。
 「メキシカン・ループ」パターン・ホルスターは、本体の裏側に、折り曲げられた大きなフラップを持ち、そこに何本か切れ込みをいれるか、または革製のループを鋲で固定して、それにホルスターの本体を通して、全体でベルトを通すための大きな輪を作るという、ユニークで立体的な構造を持っています。
 革が元来持っている、多少伸び縮みするというファジーな性質を、上手く利用したデザインです。
 欠点として、革を裁断する際の占有面積が広い点があげられます。また古くなった場合、切れ込みの部分が痛んでちぎれやすいとも言えます。
 
しかし、この魅力的なデザインの新しいホルスターは、一世を風靡し、たちまち西部中の馬具屋に広まりました。こうして、それまでの「カリフォルニア」パターン・ホルスターの多くは、姿を消すことになったのです。 
 現在でもアンティーク・コレクターの間で、「メキシカン・ループ」パターン・ホルスターは、高い人気を誇ります。製造者を表すメーカー・スタンプが押されているものも多く存在し、それがあるだけで価格的にずっとアップします。
 もしも同じメーカーの「
マネー・カートリッジ・ベルト」とペアになった場合、価格はさらにアップし、非常に高く取引されます。
 「
メキシカン・ループ」パターン・ホルスターの時代は、1900年代に入っても続き、現在でも一部で作られているようです。
R・T・フレイザーの非常に変った形の「メキシカン・ループ」パターン・ホルスターであるNo.3。他社に無いオリジナルの形を作ろうと腐心していたのが伝わってくる。